二世帯住宅で気をつけたいポイントの一つは、トイレへの導線です。可能な限り、廊下から直接トイレに入れるように設計しましょう。脱衣所を経由する間取りになっていると、「入浴中に家族が出入りする」や「着替えている最中なのでトイレを使えない」といった、困った状況が発生しやすいからです。相手が気にせず入ってきてしまうと、「入ってこられたくないから、早くお風呂からあがろう」といった自己防衛をするようになってしまい、そういったことの積み重ねが大きなストレスに繋がる可能性があります。こういった意見は女性に限った話ではなく、義母の出入りを気にする男性もいますし、自分たちはよくても、子どもが成長した後で嫌がってしまうかもしれません。後になって後悔しないようにするためにも、脱衣所を経由しない間取りがおすすめです。
しかし、間取りや予算などの問題から、脱衣所を経由せざるを得ないケースもあるでしょう。このような場合は、先ほどのトラブルが発生することを考慮した工夫を検討することが大切です。例えば、別の場所にトイレをもう一つ設け、入浴中の脱衣所は施錠し、入れないようにしておく方法があります。あるいは、脱衣所にカーテンなどの間仕切りを設けることで、出会いがしらに気まずい思いをすることが避けやすくなるでしょう。
また、トイレが脱衣所を経由する場合、家族間の問題だけでなく、来客がトイレを使う際に脱衣所を見られてしまう恐れがある点も考慮しておきましょう。収納をしやすくしておけば、散らかった室内を見られてしまうといったストレスが回避しやすくなります。